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昨日はホワイトホースのYukon CollegeでFood Safeの1日コースをとってきました。Food Safeは日本語に訳すと「食品衛生管理」といったところでしょうか。ユーコンでガイド業をする上では法律上の様々な登録や保険、資格が必要ですが、tNtでもガイドの賠償保険や商業車両保険、ガイド会社登録に原野のガイド業務登録など、色々毎年の更新しています。今回のFood Safeはガイド業者として持っておかなければならないというものではないですが、ガイドとして原野や現場でお料理をする場面がたくさんあります。食に関するほとんどは常識内の行動で安全を保てますが、今回は念の為にと資格も取りに行きました。コース自体はレストラン業に携る人やケアホームでのシェフなどに向けたものでしたが、食の安全を保つ為の知識はガイドでも少し役に立ちそうです。

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例えば冷蔵する温度は0度から4度に保ち、2時間以内に暑い食品を20度以下まで冷やして保存。加熱するときは72度以上にするように。。。などなど具体的な数字が挙げられていました。レストランなどでは食品用の温度計を使って測りますが、電源がない原野のキャンプに温度計を持って行くのはあまり現実的ではありません。

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その代わり凍った肉などの冷凍食品をクーラーに入れて、解凍させながら冷蔵庫代わりに使ったり、氷がまだ残る春には湖や川から氷のかけらや雪を持ってきて使うなど、自然の中ならではの様々な知恵が必要となってきます。こればかりは学校では教えてくれない事なので、街で習った知識を自然の中で何があってどう使えるのか?という事をガイドが今までの体験として知っておくことが必要となってきます。

自然体験は時間をかけて経験して行かないとわからないことが多くあります。食に関する安全も体験と知識を織り交ぜないと、ガイド業には使えないものです。そういった意味でも、食に関する安全資格をとって良かったとは思いますが、結局は自然の中での常識的な判断とガイドとしての経験値がものをいうなという事を再認識しました。

tNtでは原野にあるブルーベリーや他のハーブを使ったりしますし、魚を釣るチャンスがあれば、夕食の足しにする為にも楽しんで釣りをします。人間も自然の一部となる体験を目指してガイドのプログラムを作っていますので、食に関しても安全を第一に考えながらも、人間の知恵や知識、今までの体験を重視した現場の判断を行なって行きたいと思います。今年はどんな食を作って行きましょう?キャンプ料理のレパートリーを増やして、今年も楽しく美味しいツアーができればと思っています!
 
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今日は午前中にアイスフィッシングへと行ってきました。凍った湖の上から氷に穴をあけて、魚を釣るというものです。北海道では阿寒湖などでワカサギ釣りをしていますが、こちらの主流はマス釣り。ワカサギはマス釣りの餌として使うことがあるぐらいで(笑)、こちらでは釣りの対象にはなっていないようです。

ホワイトホース周辺にはたくさん湖がありますが、一番近いお手軽な湖へといってきました。2、3時間のちょっとした時間ができるとよく来る釣り場です。友人たちと落ち合い、ソリへ引いて氷の上へ。モーター付きのアイスオーガー(氷に穴を開ける道具)を使って氷に穴を開けていきます。手動のものも持っていますが、なにせ手で穴をあけるとなるとかなり時間がかかります。。。1月後半の今年の氷の暑さは60センチ以上あるでしょうか。かなり分厚くなっていて、人がたくさん乗っても割れて落ちる心配もありません。

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友人が手際良く3つの穴をあけ、氷のかけらを取り除くと準備完了。アイスフィッシングと焚き火はセットなので、焚き火の用意も手早くしました。基本的にアイスフィッシングは集中力が試されるアクティビティーです。黙っていても魚が勝手にかかることもありますが、通常は小さなアタリを逃さずにいつも集中しておき、アタリがあったとたんに「合わせ」をして釣り上げるというもの。少しでも合わせが遅くなると、「餌をとられてどこかにいってしまった。。。」ということもよくあります。

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釣り方には様々な方法がありますが、一番シンプルなのはジグにエビをつけること。やはり生の餌のほうが匂いがありますので、ルアーだけで釣るよくも喰いがよくなります。仕掛けをいれて10分もたたないころでしょうか。いきなりアタリがありました!ただ少しボケっとしていたために餌を持っていかれてしまうことに。気を取り直してエビをつけて、入れたとたんに再びアタリ。ググッとと引きがあった時のドキドキ感は最高です!今度はすぐに合わせて無事にしとめまることができました。

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1時間半ほど氷の上で立っていたでしょうか。合計4回のアタリがあり、3匹のニジマスが釣れました。友人にもアタリがあって、1匹を釣り上げたので合計4匹。今日のおいしい夕食の一品となりそうです。食べ方はシンプルに塩こしょうでもいいですし、西洋風にレモンの輪切りやニンニクを刻んだものを腹の中にいれてオーブンで料理してもおいしいです。

極北の冬の風物詩のアイスフィッシングは何度やっても飽きることがありませんね!

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今日は久々に我が家(のソリ犬たちと犬ぞりをしてきました。

森のゲルに住んで以来一緒に過ごしてきた大家さんの犬たちですが、今年で世話をして7年目となります。最初は20頭ほどいた犬たちが、だんだん年老いてきており、1頭亡くなり、また1頭亡くなり。。。気づけば今は13頭残るのみです。うちの犬たちは「寄せ集め集団」で、レース犬のように血統があるわけではありません。他のマッシャーがいらなくなった犬やシェルターから引き取られてきた、なにかしらの「事情のある犬」がほとんどです。昔は200,300キロものレースにも出た事があるようですが、今では1時間から3時間ほど走るのがちょうどよいぐらいになりました。

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今日は庭にいる走れる子達の6頭を連れていくことに。ソリを引っ張り出し、ハーネスやブーティー(犬用の靴下)を履かせたりした後にようやく出発。真っ白に染まったトレイルを走っていきます。平日とあってかトレイルには他の誰もいません。気温はマイナス15度と犬ぞりをするには暑すぎず、寒すぎずのちょうど良い気温です。

犬たちにもそれぞれの性格や癖があるので、「どの子とどの子を一緒に繋ぎ、あの子とあの子は隣に繋いではだめ。。。」というような相性があります。走り方もまちまちで、マラソンランナーのように美しく走る子から、がに股で明らかにエネルギーを無駄にして走っている子まで、ソリから見ていて本当に面白いものです。今日連れていった子達の年齢は、若い子でも6、7歳、一番年をとった子は13、14歳といったところでしょうか。一番遅い子に合わせて休憩をとっていきますので、どうしてものんびりペースとなります。こちらも周りの景色を楽しみながら走りました。昇ってくる月を見たり、野生動物の足跡を探したりと、ソリの上からでも慣れてくるといろんなものが目に入ってくるものです。

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犬ぞりはトラブルが起きるとやっかいなことになります。犬同士のけんかをして怪我をすることもありますし、ソリが木の根に引っかかると、ブレーキの一部が壊れて半分制御不能になったりもします。最悪なのがソリをこけそうになった時に、うっかりソリ自体を手放してしまうこと。そうなると「止まれ」と叫んでも犬たちは待ってくれず、どこかにひっかかるまでひたすら走り続けます。当然人間は原野に置いてきぼり状態になることになります。携帯の通じるところならいいですが、圏外ならひとりでひたすら何キロも歩いて探さなければいけません。今まで何度かそういう目に遭いましたが。。。犬ぞりでは問題を避けるためにも、楽しみながら常に犬や周囲の状況に注意を払っていなければいけないものです。

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今日はほぼ何事もなく終ることができました。時間をみると出発してから1時間と40分。日の短い極北の冬には、夕方になると周りは既に暗くなり始めています。走り終った犬たちを1頭ずつマッサージして、ハーネスを外し、ソリを片付け、犬の糞の掃除をして今日は終わり。美しい光景を見ながらの楽しい一日となりました。ユーコンに旅行にくる方にも人気のアクティビティーですが、動物と走るというのは本当にいいものです。こちらにこられたら是非どうぞお試しあれ!

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