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先日3日間という短い期間でしたが、日本からの青年がユーコンにお客さんとしてやって来てくれました。
お客さんとは言ってもいつもとは少し違い、将来極北に移住してガイドや写真家になりたいという希望を持った方です。今は26歳で日本の動物園で働いていますが、就職時に3年後に海外に行くために辞めるという条件で雇ってもらったようです。

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僕自身も高校時代から海外に住むという希望を持っていましたので、彼の気持ちはよくわかります。大学時代の留学や旅を経た後に、ユーコンにやって来たのは2004年で彼と同じ26歳でした。あれから14年。色々とありましたが、あっという間に時間は過ぎて行きました。

実際に海外に移住をするとなると、様々なハードルを超えていく必要があります。労働ビザや永住権取得したり、言葉を覚えて異文化に適応することが必要ですし、最初は収入的にも安定しない生活をすると同時に、こちらでの社会への適応や将来へのスキルを身につけていく必要があります。一つ一つを乗り越えていくのが移住というプロセスそのものですが、その真っ只中にいる時には色々と迷うものです。個人的には最初の3、4年は安定した仕事が見つからず、ガイドという季節労働やレストランでのアルバイトなどを繰り返していました。幸い言葉は留学経験があったので特別に困るということはなかったですが、細かい日常や仕事での表現などはこちらに来てから少しずつ覚えていきました。

今回の旅では白頭鷲の巣を一緒に撮影し、ユーコン川をカヌーで下って釣りをしたり、クルアニ国立公園でクマを探しに出かけたりしました。幸い白頭鷲の営巣の様子や川を泳いで渡るムース、国立公園での4頭のクマとの遭遇など、短い間でも中身の濃い体験ができたと思います。ドライブやカヌー中に、そして白夜のBBQや自宅のゲル訪問中にお話をする中で、移住やガイドや写真からの収入に関する希望や楽しみ、そして現実的な課題もお伝えしたつもりです。

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「日本という経済的にも恵まれた国で生まれ、やりたいと思ったことに挑戦できる環境はなかなかないし、条件が揃っているのだからトライしてみる価値はあると思う。個人的には色々やってきたけど全体的に楽しかったし、後悔していないよ。もちろんいいことばかりじゃないけどね(笑)」こんな内容を話したつもりでしたが、どんな形でお話を受け止めてくれたでしょうか。真剣に聞いてくれているR君の姿が印象的でした。

ユーコンの帰りにはアラスカに立ち寄り、また今の暮らしの東京に帰るR君。来年には移住する準備ができているそうです。今の日本では働き方や暮らし方に徐々に変化が出てきていますが、これからも自分の心の声を聞き、自分にあった多様な暮らしを選んでいく人が増えればと願っています。R君、こちらにきてくれてありがとう。そしてこれから頑張ってくださいね。

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だんだん春らしい気温となってきたユーコンです。
4月も半ばで冬のシーズンは終わりになりましたが、まだオーロラは見えています。
先日タミーと共にクルアニ方面にキャンプに行ってきました。
来年のツアーの下見ですが、3泊4日の楽しい旅となりました。

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今回向かったのはクルアニ国立公園に併設する世界遺産のDezadeashという大きな湖です。
ユーコンには準州政府が管理するキャンプ場がありますが、このキャンプ場は冬でも門が空いていて誰でも使うことができます。ここでテントを張って3晩過ごしましたが、今回の主な目的は来年のツアーの為のオーロラ撮影とアイスフィッシング の下見です。

オーロラは天気予報とオーロラ予報とのにらめっことなります。毎日同じ条件で出るわけではなく、またオーロラが出ていても晴れていないと見えない為、出現しそうな時に身軽にさっと行く必要があります。予報サイトを見ると水曜日から晴れだして、オーロラの流れも金曜日までは持ちそうな感じでしたので、キャンプ道具を車に積んで一路クルアニへと向かいました。

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春になり雪がある程度溶けてきましたが、夜がまだマイナス10度ほどまで下がるということで、知り合いに頼んでストーブ付きのキャンバステント(こちらではウォールテントと言います。)を借りて行きました。キャンプ道具に加えて、アイスフィッシング の道具も持って行きましたので、それなりに道具がかさばります。全てのギアを2台のソリに乗せてキャンプまで引っ張り、日が暮れるギリギリになってようやくテントを張って野営の準備ができました。

この時期はまだ寒いせいもあってか、キャンプをする観光客もほぼ皆無で、地元のユーコンの人も平日はキャンプに出かけることはほぼありません。今回のキャンプ期間は平日なので、貸切状態の中でオーロラを見ることになりました。

一晩目からいきなりオーロラが現れてきます。ツアーのプロモーションに必要な写真を撮るために、湖に降りて行きました。この時期は日中は暖かく氷の表面が溶けている為、オーロラが溶けた水面に美しく映ります。大きな水たまりを見つけて三脚を立てた後、撮影用のテントも設置しました。

まだ日が暮れないうちからオーロラがゆっくりと動き始めます。白夜に向かうこの季節は、春の青い空をバックにオーロラが撮影できる特別な季節です。次第に空は暗くなり完全な夜となります。月の影響は全くなく、完全に晴れた夜空にいくつもの星が瞬き始めました。本当は少しぐらい月明かりがあった方がオーロラと人物の撮影はしやすいのですが、今回は真っ暗闇の中での撮影です。

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湖の氷が分厚いとわかっていても、真っ暗な中でバリっと氷の表面が割れる音を聞くとドキッとさせられます。タミーに協力してもらいながらいくつかのショットを撮りました。撮影が一息ついたところで、体冷えたのでウォールテントに戻ることに。ただまだオーロラ自体は出ていた為、カメラをタイムラプス撮影に設定して凍った湖の上に置きっ放しにしておきました。

(オーロラタイムラプスを含めた今回のキャンプ旅行のビデオはこちら)
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ウォールテントにある薪ストーブのおかげで、テント内でもそれほど寒くなく過ごすことができます。もう夜中の2時を回っていたので、この日はそのまま就寝しよう。。。と思いましたが、ストーブの火が消えるとやはり体が冷えます。タミーが震えて寒がっていましたので、朝の4時ごろ一旦起きて火をくべなおしました。ついでにタイムラプス用に仕掛けていたカメラと三脚も回収しましたが、流石にガチゴチに凍って電池も切れている状態です。うまく撮影できているかは、街に戻ってからでないと確認できません。

ようやくテント内が完全に温まった後に就寝し、次の朝を迎えました。朝は昨晩とはうって変わり、日が照って暖かい春日和となりました。日中は気温はプラスの5度から8度ほどまで上がるので、直射日光が当たるとさらに暖かく感じます。ウォールテントの壁を開き、寝袋から出て横になりながら日光浴を楽しみました。極北の冬は長く日照時間が短いので、寒い春キャンプでもまるでハワイのビーチに寝転んでいるかのような気分になります(笑)!2時間ほど光を浴び、朝食を食べてコーヒーを飲みながら、久々にゆったりとした時間を過ごしました。普段の生活の中ではなかなかこういうダラダラとした時間が取れませんので貴重な時間です。

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お昼過ぎからはアイスフィッシング の道具を持って湖に出かけました。アイスフィッシング は言わば穴釣りで、北海道なんかではよくワカサギ釣りをしています。こちらでは大きなマスを狙ったり、淡水のタラなども釣ったりします。氷に穴を開けるアイスオーガーを最近新調したのですがどうも調子が悪く、新しいものに交換してもらったばかりのものを持ってきました。この湖は氷が他の湖と比べるとさらに分厚く、氷の暑さは1メートル以上にもなります。(風が強い場所のため、断熱効果のある雪が吹き飛び、氷がどんどん厚くなって行くという訳です)普通のアイスオーガーでは氷が分厚すぎて貫通しませんので、オーガーに延長キットというものを付け足して、氷の一番下までは届くようにしました。どんどんアイスオーガーは氷の中に沈んで行きますが、もうダメかな?と思ったところでようやく貫通してくれました。去年は必死に氷の表面を斧で割って開けた穴が、今年は簡単に空いてしまいます!

一旦穴を開けると穴の中の確認です。湖の深さにもよりますが、Dezadeash Lakeは浅くて有名な湖で底まで2−4メートルほどしかありません。ただ今年はなぜか水が濁っており、去年は見えた湖底が見えにくい状態です。ルアーを落としてみても反応なし。あまりにも大きな湖ですので、どこに魚がいるのかは手探り状態で探って行くしかありません。

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まずはキャンプ場の比較的近い場所に穴を8つほど開け、淡水のタラを狙うための仕掛けを落ろしました。タラは夜に捕食するため、基本的には一晩置いて次の日にチェックをしにくるというものです。ワカサギを餌として、針と重りを糸に巻いて沈めるだけの簡単な仕掛けですが、今までこの方法でタラを何度か釣ったことがあります。仕掛けをセットし終わると次のポイントへと向かいました。目的地の大きな湖の反対側は最短距離で2キロほど。1人が重いソリを引きながら、またもう1人が北欧産のキックスレッド を使いながら対岸を目指して歩いて行きました。時間にすると1時間ほどでしょうか。ようやく対岸に到着。お腹が空いたのでピクニックランチをしながら、仕掛けづくりに励みました。ユーコンでは特別なタラの仕掛けライセンスをもらえるのですが、針は1人で10個までと決まっています。今年はタミーもライセンスを取得したので、2人合わせて20針まで仕掛けることができます。

対岸には白頭鷲の巣があり、つがいの姿も確認することができました。今から営巣に入り、湖の氷が割れると魚をとって子育てをして行きます。この時期は湖が凍っているので、一体どこから餌をとってくるのでしょう?抱卵前に巣を整えているつがいは、春の到来をきちんと把握しているようです。ランチ後には再び氷に穴を開け、残りの仕掛けを2箇所にセットしました。果たしてタラは釣れているでしょうか?

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2日目の晩もオーロラが舞い、「スティーブ」というオーロラに付随する天体現象も見れました!肝心のタラですが、結果を報告すると。。。1匹のみ。20分の1匹ですので割りはいい方ではありませんね。それでも0と1では全然違います。タミーにとっては初めてのタラ釣りで、解体も興味津々で手伝ってくれました。カワハギのようにツルっと皮をめくることのできる最中で、ペンチで口を抑えて首元から皮をはいで行きます。体の割には大きな肝臓があるのですが、これが珍味好きや先住民には人気です。今回はキャンプ料理ということで内臓は全て氷に置いてきましたが、ランチ中に鷲のつがいやカササギが食べにくるのを確認できました。

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結局3晩とも晴れていて、オーロラと星空を存分に楽しむことができました。帰りはクルアニの近くで友人宅に立ち寄り、話をしたり、ポーカーをしたり、手作りピザを焼いたり。。。そうこうしているうちに、だんだんと暗くなってきたのでホワイトホースへ向けて運転をしましたが帰りはなんと猛吹雪。暗い中アラスカハイウェイを走っているのですが、雪でまともに前が見えません。トロトロ走りながら、結局ホワイトホースの街に着いたのは夜中過ぎ。猛吹雪の前に引き上げて正解でした(笑)春はまだ冬に逆戻りすることもあるので気が抜けませんね。

来年は今年の体験を元に、風の旅行社さんのツアーで4月にオーロラ&アウトドアのキャンプツアーを行う予定です!

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先日サマータイムが始まりました!日本では馴染みのない習慣ですが、2018年カナダでは3月11日にサマータイムが始まり、11月4日に終わります。日照時間をより有効に使うためのもので、始まりの時には夜中に時計の針を1時間進めます。この為サマータイムの初日には1時間「損をする」形になるのですが、冬時間通りに出勤すると1時間遅れることになるので、冬タイム最後の日には時間の調整の気を使うものです。

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3月に入って日照時間が段々と長くなって来ていますが、白夜に向けて夏が近づいて来ているのを感じます。極北の冬は長いもので、秋の紅葉や黄葉が8月の後半から9月の中旬前後にピークを迎えます。その後の10月中旬から4月の中旬までは冬の期間で、半年も寒い時期が続くことになります。特に12月から2月は厳冬期で、気温はマイナス30度から時にはマイナス40度まで下がることもあります。。。日照時間が短い冬至前後から徐々に冬の長さを痛感し、2月の折り返し地点では冬に対する精神的な辛さがピークになる頃です。

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長い冬を乗り切るために、ユーコンの人は昔からいろんなことをやって来ました。現在でも行われている2月のお祭りの「ランデブー」は、厳冬期に原野から街に出て来てお酒を飲んだり、踊ったりして馬鹿騒ぎをするために集まったのが始まりと呼ばれています。英語で"Cabin Fever"という言葉がありますが、直訳すると「キャビン(丸太小屋)熱」。つまり「ずっと原野で狭いキャビン(丸太小屋)にいると、外の世界に出たくてうずうずしてくる」という意味があります。街に出て来て、飲んで歌って踊ったりするとCabin Feverもなくなるようで、ホワイトホースの街ではいまでも毎年2月に行われています。ただ近代のランデブーはお祭り騒ぎというより、雪の彫刻があったり、チェーンソー投げなどの力比べのイベントがあったりなど、楽しいイベントが集まったような感じです。

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冬にはビタミンDの摂取も重要で、本来は日光から得られるものですが、日照時間が短い極北の冬にはサプリなどで補わなければいけないこともあります。個人的には極北の冬が大好きで、今までビタミンDの欠乏を感じたことはありませんでしたが、今年になって初めて買うことになりました。今年は2月になってどうも疲れた状態が続いていたため、おそらくビタミンD欠乏症になっていたのかもしれません。

この他にも、冬の間に暖かい場所へとバケーションに行く人も結構います。メキシコやハワイなど、カナダからは比較的アクセスしやすいビーチへと行きたがります。皆が暖かい場所にてバケーションをとる気持ちがようやく最近理解できるようになってきました。今までは素敵な極北の冬があるのに、なぜわざわざビーチへ行かなければいけないの?そんな風に思っていましたが、年と共に体も心も少しずつ変わって来たのかもしれませんね。。。

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今年の冬は雪がたくさん降りましたが、ここ数日のプラスの気温で雪がどんどん溶け始めています。このまま4月中旬まで暖かい状態が続くかどうかは不明ですが、気分はもう春に向かっています。白頭鷲も営巣の準備を始めていますし、春の一番の鳥のユキホオジロも昨日見かけました。自然の生き物は敏感で、夏の繁殖のために、春の到来を逃さずにきちんと準備を始めるようです。他の生き物が様々な方法で自然の移ろいを感じるように、人間も頭で考えているよりも体と心が季節の影響を敏感に感じているのかもしれません。

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残りの冬シーズンもあと1ヶ月ほど。不思議なもので、冬が終わるとなると真っ白な厳冬の世界が恋しくなります。人間の心は本当に移り気ですね。完全な春の到来までは、犬ぞりをしたり、オーロラを見たり、アイスフィッシングをしたりして楽しみたいと思います!

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